2019年8月31日土曜日

あるトレーナーとの対話

今年の夏は、あるフェルデンクライスプラクティショナー養成コースに勉強に訪れていました。

今回はイスラエルからのトレーナーの先生が講師でした。

フェルデンクライストレーナーとはフェルデンクライスプラクティショナー(教師または実践者)を育てるコースで教えることの出来る先生で、世界でも100人前後?(何十人だったかな)しか存在しないと聞いたことがあり、フェルデンクライスでトップの先生方です。私も何人かのトレーナーに教わっていますがそれぞれとても魅力的で素晴らしい人物たちなのです。

私は今回来ていたその先生から幸運にもFI(Functional Integration)(個人セッション)を受ける機会を得て、そのFI前のインタビューと、のちのメールでの対話の一部を皆さんとシェアしたいと思います。

自分の記録としてでもあり、または考えをまとめるために今回は用語などの解説はつけずにそのまま紹介します。背景や前後の文脈が抜けているので、わかりにくいかもしれませんが、フェルデンのプラクティショナーの方でこのブログを読んでくれている方もいるかもしれないので、参考になれば嬉しいです。

個人セッション前のインタビューにて(一部):


「頭を右に廻すのはやりやすいが、左に廻すのがやりにくいです。うつ伏せの時左に向いて、右耳を床につけるのは苦しいです。左右同じようにしたいっていうよりも、その差異を生み出している自分の使い方などが明らかになってくればいいなと思っています」
「あと最近気づいたことですが、頭を左右に回そうとすると、やっぱり左の方に行きにくい、けれど何かを見ようと左の方を見たり、右の方を見たりする時は、左の方に行きにくいとかの制限を感じないんです」

先生
「なるほど、君はムーブメント’Movement’と機能’Function'の区別はちゃんと出来ているようだね」

そのあと、利き目(左右の目のうち支配的に使っている方の目)がどちらかの検査などをしてからテーブルでねてのセッションへと移りました。

セッションの様子やのちの感想などはまた気が向いたら話します。

後のメールでのやりとり(一部):私の質問より

「先のセッションで’ムーブメント(動き)’と’機能’の違いについて話しましたね。
両者の関係は分化’Differantiation'と統合’Integration’の関係のようなものでしょうか?あるトレーナーの先生が、(FIにおいて)分化と統合は一つのコインの表と裏の様なものだと言っていたのを覚えています。」
「’機能’とは、行動’Action’や振る舞い’Behavior'に関することだと私は理解しています。私はレッスンを教える時、特にFIにおいて、その生徒にとって有用な’機能’を常に頭に置いておきたいと思っています。そこでレッスンに於いて、分化やあるムーブメントについてはどの様に考えればいいでしょうか」
「もちろん、ある時はあるムーブメントが機能を支えることや、ある変化が改善’Improvement'をもたらすとシンプルに考えることもできます。しかし、今自分はプラクティショナーとしてやってますので、さらに考えを深めたいのです」

先生の返信(一部):
「今私が信じていることは、もし骨盤が本当の意味での根源となり、動力を生み出し、一方で腕や脚が付随的なものとなり、頭は自由になる、そのことを私が遂に達成することが出来たなら、私がこの20年以内で死んだとしても、君たちは私のことを決して忘れることはないだろう。
(モーシェ・フェルデンクライス:1976年サンフランシスコトレーニングに於いて)」
「これはフェルデンクライスの引用だけど、これが君の質問の中のいくつかの答えになることを願ってるよ」

この様なやりとりがありました。

如何でしょうか。このように、フェルデンクライスの先生方は質問に直接に答えない、もしくは直接答えていないように感じられる、こともおおいです。特にイスラエルの先生方(笑)
ユダヤの文化なのか、考えさせるというか。私がトレーニングコース生の時の教育ディレクターもイスラエルの方でそういう傾向が強かったです。人によっては明確じゃないと感じることもある様です。でもそのお陰で自分は随分考えが深まったと思っていて、感謝しています。私としてはその考え方、やり方には親和性を感じています。

引用していただいたフェルデンクライス博士の言葉についても、すぐに腑に落ちる様な言葉ではない様です。フェルデンクライスの書籍にしても、語った言葉にしても、直接的、直線的な説明ではないことも多いですが、その人がそれをその人全体で’悟った’時に理解できる構造になっていると思います。
その時にはそれが非常に明確な言葉として入ってきます。
その人のその時の気づきの深さなどで、理解の度合いが違ってきます。
まさにATMですね。私はフェルデンクライス博士の言葉は書籍なども全てATMレッスンだと思って味わっています。おすすめですよ。

先生が教えてくれたこのフェルデンクライス博士の言葉も、私にとって重要なヒントになりそうです。感謝です。
ポテントセルフ(フェルデンクライス博士の著書の一つ)等を今一度読み返す必要があるでしょうね。

夏の思い出の話でした。




フェルデン下町

フェルデンクライス下町オンラインレッスン 今後の予定

自分のスペースでゆったりと身体に向き合ってみませんか。 フェルデンクライスのグループレッスンに見本はなくリラックスする中で、指導者の言葉により動いていくもので、こ自宅でするオンラインレッスンはいい面もあると、何回かオンラインで教えてみて感じました。 ...